研究内容

過冷却

水には融点(0℃)を下回ってもすぐには凝固しないという性質があります.
この現象を過冷却現象と呼びます.
では,なぜ過冷却現象が起こるのでしょうか?
それは,水が氷になるためには,氷の種となる氷核が必要となるからです.
水の温度が下がっていくと水分子の持つ運動エネルギーは減少します.
しかし,先ほどの氷核を発生させるためにはエネルギー(このエネルギーを活性化エネルギーと呼びます.)を少し必要とします.
ところが,温度が下がっているために水分子の運動エネルギーが減少していて,十分なエネルギーが得られないのです.
さらに温度が下がっていくと熱力学的に不安定になり,わずかな衝撃などで過冷却が解消してしまいます.
当研究室では超音波,電場,冷却速度,核生成物質などが過冷却現象に及ぼす影響,また過冷却状態にある水の物性値を計測しています.

ブリッジング

“氷”と言うと冷凍庫の中の氷を思い浮かべる方が多いと思いますが,
その形状によってソリッドアイス,リキッドアイス,スラッシュアイス,フラジルアイスなどのように呼び方が変わります.
そして,氷の成長の仕方,成長後の特性もまた異なります.
その中で,氷蓄熱装置においては融解性・移送性で有利な流動性のある氷が求められています.
しかし,氷を溶かして冷熱を取り出したいときに,これらの氷の間に水路が生じて熱損失が大きくなるなどの問題点があります.
本研究室では,さまざまな形状の氷について,結晶の成長,貯蔵後の特性の変化などの研究を行っています.

分子動力学法を用いた水の融解・凝固過程に関する研究

過冷却水の凝固に影響を及ぼす因子は幾つか存在するが,核生成を伴うこれらの現象のメカニズムをマクロ的なアプローチからのみ把握することには限界があります.従って,分子レベルでこれらの現象を解明することが重要となります.本研究ではまず第一段階として,冷熱蓄熱の基本的現象である融解過程を取り上げ,分子動力学法を用いた解析により分子構造の欠陥,異物質の存在など様々な条件と融解との因果関係を解明することを目的としています.

分子動力学法を用いた水の熱物性値に関する研究

過冷却現象は,水の液体と固体間の相変化を利用した潜熱蓄熱を行う際の問題となる場合があります.そのため過冷却状態の水の物性値を計測することが必要となります.そこで分子動力学法を用いて分子レベルにおける水の過冷却域での熱物性を明らかにします.

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